弁護士 新 英樹(AA法律事務所) > 記事コンテンツ > 別居中の恋愛は不倫になる?発覚した場合の慰謝料請求について解説
日本の法律制度では、配偶者以外との肉体関係を伴う交際は、婚姻生活を破綻させる不法行為として慰謝料請求の対象となるリスクがあります。
今回は、別居中の恋愛が不倫になるのかについてや、別居中の恋愛が発覚した場合に慰謝料を請求する方法などを解説します。
不貞行為として慰謝料請求が認められるには、配偶者以外の第三者との間に自由な意思に基づく肉体関係があることが前提となります。
食事を楽しんだり、頻繁に連絡を取り合ったりする程度の恋愛であれば、法律上の不貞行為とみなされる可能性は低いです。
一方で、宿泊を伴う旅行や深夜にまで及ぶ密室での滞在などは、肉体関係があったことを推認させる事実として扱われます。
配偶者の不倫について慰謝料請求の可否を分ける基準は、不貞行為が行われた時点で婚姻関係が既に破綻していたかどうかです。
裁判で婚姻関係の破綻の有無を判断する際には、主観的要素と客観的要素が総合的に考慮されます。
主観的要素とは、夫婦の双方に離婚する意思があることなどです。
客観的要素としては主に、以下が該当します。
なお、別居に関しては指標として、5年以上その状態が続いていなければ、夫婦関係が破綻したとはみなされません。
また、単身赴任や親の介護など止むを得ない事情で別居している場合は、夫婦の協力関係は維持されているとみなされます。
従って、婚姻関係が破綻したとはみなされません。
別居中の配偶者の不倫に対して慰謝料を請求する場合には、次の流れで進めることを検討してください。
不倫が疑われる状況で配偶者を問い詰めても、証拠の隠蔽を図られるリスクがあります。
したがって、慰謝料の請求を考えているのであれば、まず不貞行為を裏付ける客観的な証拠を揃えましょう。
具体的には、以下の証拠資料を集めることが有効です。
配偶者の不倫の証拠が整ったら、当事者間での話し合いである離婚協議を行います。
離婚協議では、慰謝料の金額や支払い方法などを含めて離婚条件を取り決めます。
不倫は配偶者と不倫相手の共同不法行為であるため、要件を満たしていれば不倫相手に対しても併せて慰謝料を請求できます。
離婚協議で合意に達した内容については書面にまとめましょう。
このとき、強制執行認諾条項付きの公正証書を作成することが効果的です。
なぜなら、強制執行認諾条項を含む公正証書であれば、支払いが滞った際に裁判を行うことなく相手の財産を差し押さえられるためです。
不倫に対する慰謝料請求を含めた離婚条件の取り決めについて、協議での合意が難しい場合は、家庭裁判所に調停を申し立てて調停委員を交えた話し合いへと移行します。
調停は裁判所の個室で行われるため、感情的な対立を抑えつつ、法的な相場に基づいた解決案の提示を受けることが可能です。
調停で成立した内容は調停調書に記載され、判決と同等の法的拘束力を持つことになります。
配偶者の不倫に対して慰謝料を請求する際には、次のことに注意してください。
不倫が発覚した際に、配偶者や不倫相手に対して感情的な行動をとることは避けましょう。
特に、SNS上で不倫相手の個人情報を拡散することは、名誉毀損罪やプライバシー侵害に該当します。
このような行為は逆に損害賠償を請求される原因となるため、注意してください。
慰謝料の請求を目指すのであれば、相手方との不用意な接触は避け、弁護士などの代理人を立てることを検討してください。
不貞行為による慰謝料請求には、法的に定められた以下の2つの期限が存在します。
消滅時効を迎えると慰謝料の請求権が消滅してしまうため、注意が必要です。
また、不倫の事実を知らずに除斥期間が経過すれば、請求は認められなくなります。
今回は、別居中の恋愛が不倫と判断される基準や、不倫が発覚した場合の慰謝料請求の流れについて解説しました。
配偶者の恋愛が不貞行為に該当するかどうかや、慰謝料の請求方法に悩まれている場合には、弁護士に相談することを検討してください。